家での投薬は、指示どおりとは限らない

なお、服薬の遵守に関する研究自体が少なく、質の高いエビデンスは乏しいとする系統的レビューもあります(Wareham ら 2019)。

慢性疾患の治療判断には、家での記録が要る

心臓病

米国獣医内科学会(ACVIM)のガイドライン(2019)は、心不全期の在宅管理として、飼い主による呼吸数・心拍数の確認を推奨しています。安静時呼吸数が「ふだんの値から」増えることが、悪化の予測にいちばん役立つとしています(Keene ほか 2019、ACVIM 僧帽弁閉鎖不全症コンセンサス)。

てんかん

抗てんかん薬を始める目安は「6カ月間のうちに2回以上の発作」です(日本獣医師会雑誌 2025、てんかん Q&A)。治療効果の目安は「発作頻度が50%以上減少」とされています(長谷川大輔『犬と猫のてんかん読本』第3版)。

どちらも、家での記録が正確であることが前提です。

記録がないと、治療がうまくいっているか分からない

治療の効果が見えなければ、飼い主さまは通院を続ける理由を見失いやすいと、私たちは考えています。

先生にとって変わること

  • 投薬の記録:飲ませた・飲ませられなかったを、飼い主さまが記録します。
  • 症状の記録:発作タイマー、タップで数える呼吸数の記録、グラフでの推移。
  • 受診時:前回からの投薬と症状の推移を、PDFで確認できます。

飼い主さま向けの発作の記録の付け方は、わんケアジャーナルの「犬の発作は「時間・様子・回数」の記録が診断を助けます|記録の付け方」でご紹介しています。

院内でご案内いただき、効果を一緒に測らせてください

家での記録が慢性疾患の通院継続にどう影響するかは、国内ではまだ十分なデータがありません。院内でご案内いただいたあと、たとえば次の指標を一緒に見ることをご提案します。

  • 慢性疾患の患者の、予定どおりの再診の割合
  • 投薬記録の継続率

院内でのご案内(案内POP・QRコード)について

よくある質問

発作の動画も見られますか?
はい。飼い主さまは、発作の記録に動画を添付できます。
病院側の作業は?
不要です。

ほかの経営の課題